日本政策金融公庫は生活衛生関係営業の景気動向等調査結果概要(平成21年4〜6月期)を発表した。
平成21年6月上旬、生活衛生関係営業3,220企業を対象に個別訪問面接方法で調査したもので、うちクリーニング業は250企業。
今回の調査結果の中からクリーニング業についてみてみたい。
調査では「良い(増加・黒字・好転)企業割合−悪い(減少・赤字・悪化)企業割合=DI」として表しているが、売上DIは今期4〜6月は▲41.0だった。繁忙期でもあり前期1〜3月の▲62.6よりは上昇したが、来期7〜9月については低下を見込んでいる。
採算DIは19.2で、前期▲45.3から大幅に上昇した。
業況DIは8.8で、前期▲75.6から大幅に上昇したが、季節変動の大きさから来期は低下を見込んでいる。
利用客数DIは▲41.8で、前期▲65.4よりは上昇したものの悪い企業の割合が高くなっている。
客単価DIは▲28.9で、前期▲45.7より上昇。
設備投資実施企業の割合は11.2%で、前期6.3%から増加している。
来期以降1年間の設備投資計画については、「予定あり」4.0%、「未定」24.8%、「予定なし」71.2%で、昨年同時期の調査時よりも「予定あり」が減り、「予定なし」が増えている。
経営上の問題点で多かったのは「顧客数の減少」60.4%、「客単価の低下」45.6%、「仕入価格・人件費等の上昇を価格に転嫁困難」32.4%の順(複数回答)。
今期の業況に対する判断理由の特徴的なものとしては次のとおり。
【北海道】今期は季節要因から前期(1〜3月)よりも売上は40%も増加している。前年に比べても売上は変わらないが、燃料や資材の高騰も収まり僅かながら利益も出るようになった。最近の傾向としては、古いスーツなどをリフォームして再利用するケースや給料などお金が入るのを待って、着る直前ギリギリに洗濯物を出してくることが多くなっている。
【徳島県】繊維、家電、洗剤等の各メーカーが家庭で洗濯処理ができる製品の開発を進めており次々と新商品が販売されている。このため自宅でクリーニングする消費者が増加傾向にある。衣替えの季節であってもまとまった注文が出なくなり厳しい状況が続いている。
景気動向等調査とあわせて「生活衛生関係営業の金融機関との取引状況」の調査も行っているが、その中からクリーニング業についてみてみると、金融機関からの借入状況は「借入あり」47.2%、「借入なし」52.8%だった。
1年前と比べた借入金残高は「増加した」18.6%、「ほとんど変わらない」16.1%、「減少した」65.3%。
借入金残高の水準については「過大である」33.9%、「適正である」55.1%、「過小である」11.0%。
今後1年間の借入金残高の方針は「増やす」2.5%、「現在の水準を維持する」21.2%、「減らす」76.3%。
借入金の使途は「運転資金」44.4%、「設備資金」33.3%、「運転資金と設備資金の両方」22.2%という内容だった。
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