第33回全国障害者技能競技大会(アビリンピック)が10月20日から3日間、長野市で開催された。
この大会は障害のある方々の職業能力の向上を図るとともに、企業や一般の人々に障害者への理解と認識を深め、その雇用の促進を図ることなどを目的に、昭和47年から毎年開催されているもの。
今年は全国から約300名の選手が参加し、「洋裁」など全23種目で技能を競いあった。また23種目とは別に、雇用拡大が期待される「クリーニング(リネンサプライ)」「IT」「ベッドメイキング」の3職種で、技能デモンストレーションが実施された。
クリーニングの技能デモンストレーションの準備と運営は、地元の長野リネンサプライ株式会社(本社長野市、納富廣幸社長)を中心に行われたが、競技方式やルール、さらには機材などを数カ月間かけて入念に準備し、初の競技を成功に導いた。
実際の競技は、次の2種目で行われた。
- ガウンの手たたみ
- タオル類の手たたみ・機械たたみ(タオルフォルダー使用)
競技には、長野リネンサプライ株式会社と関連会社の工場で実際にたたみ作業をしている6人が参加し、多くの観客が見守るなかで日ごろの作業の成果を披露した。
デモンストレーション競技のため採点方式ではなく、競技後に仕上がり具合の「講評」をもって締めくくられる方式で実施。参加した6人にとって、競技後に見守っていた仲間や観客から受けた応援や歓声は大いに励みになったようだ。
この大会で初めてリネンサプライの作業を目にしたという人も多く、認知度を高めるよい機会にもなった。長野リネンサプライ株式会社の納富社長は、「全国のリネンサプライ工場で働いている障害のある方々の一つの目標となり、技能の向上、生き甲斐につながっていったら良いと思う。そのためにも、リネンサプライの競技が正式種目になってくれれば」と話し、またアビリンピックやこの競技の全国的な認知度を高めることが課題であるとした。
全国大会としては初めて、クリーニング(リネンサプライ)関連の技能競技が実施されたわけだが、リネンサプライ業界と障害のある方々の雇用を考える上で重要な一歩となったといえよう。
クリーニングの技能デモンストレーションの様子
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