日本政策金融公庫は2013年1〜3月期の「生活衛生関係営業の景気動向等調査結果」を発表した。
調査は3月上旬に生活衛生関係営業の9業種3,234企業を対象に行われ、有効回答のうちクリーニング業は227企業。クリーニング業について、その結果をみてみたい。
■景気の動向
今期はすべての項目で前期を下回っており、全業種と比較してもクリーニング業の景気動向は厳しいものがある。来期(4〜6月)は繁忙期でもあり上昇が見込まれている。
項 目
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前 期
2012年10〜12月
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今 期
2013年1〜3月
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全業種計
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売上DI
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▲43.8
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▲56.4
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▲40.4
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採算DI
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▲29.5
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▲61.2
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▲31.8
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業況DI
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▲16.2
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▲73.8
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▲48.9
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利用客数DI
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▲44.4
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▲57.5
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▲41.8
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客単価DI
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▲45.6
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▲56.6
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▲32.3
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※DI=良い(増加・黒字・好転)企業割合−悪い(減少・赤字・悪化)企業割合
項 目
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前 期
2012年10〜12月
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今 期
2013年1〜3月
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全業種計
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設備投資実施
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5.0%
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6.2%
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5.3%
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項 目
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クリーニング
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全 体
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予定あり
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5.7%
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6.8%
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未定
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16.3%
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20.2%
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予定なし
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78.0%
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73.0%
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項 目
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クリーニング
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全 体
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顧客数の減少
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67.8%
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64.5%
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客単価の低下
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49.3%
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32.7%
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仕入価格・人件費等の上昇を価格に転嫁困難
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26.0%
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19.3%
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店舗施設の狭隘・老朽化
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8.4%
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19.2%
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後継者難
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9.7%
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8.4%
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従業員の確保難
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4.0%
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7.5%
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事業資金借入難
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2.6%
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4.2%
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その他
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2.6%
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2.1%
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特に問題なし
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6.2%
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9.4%
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※複数回答のため合計は100を超える
■特徴的な業況判断理由
【今期】
- 千葉県の事業者(業況:好転)
「ホテル関連の仕事が増えた」
- 福井県の事業者(業況:不変)
「老人ホーム等のリネンが対象であり、変化はない」
- 宮崎県の事業者(業況:悪化)
「顧客の減少に加えて、油代・材料費が上がっている」
【来期見通し】
- 島根県の事業者(業況:好転)
「春は最も忙しい時期である。今年はお客様の目先を変えるようなセールを予定している。また、当店は転勤者のお客様も大変多く、新規客の獲得に力を入れている。集配の方も少しずつ出るのではないかと期待している」
- 高知県の事業者(業況:不変)
「4〜6月期は冬物から春夏物への衣替えの時期となり一番の繁忙期となる。売上は少しは良くなるが、仕入価格や人件費等が高騰しており業況は変わらないと思う」
- 秋田県の事業者(業況:悪化)
「家庭で洗える繊維が多くなっている。景気が悪く、クリーニングの利用が落ち込んでいる」
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