厚生労働省は5月27日、平成24年度生活衛生関係営業対策事業費補助金事後評価結果を公表した。
4月23日・25日に開催された「生活衛生関係営業対策事業費補助金審査・評価会」で生活衛生関係営業対策事業費補助金の96件の事業について事後評価を行った結果だが、その中からクリーニング業界に関連したものは次の通り。
事業計画者:全ク連
事業名:クリーニング業安全・安心対策ガイド作成事業
国庫補助予算額:363万円
【評価できる事項】
- クリーニングにおける安全・安心は、顧客にとっても従業員にとっても重要な課題であり、安全・安心対策ガイドの作成は十分意義のある事業であったと評価できる。
【今後に向けての助言】
- 計画時に予定されていたアンケート調査の結果が報告書に添付されていないため、成果把握が行われたのかがわからない
- このガイドブックを実際に事業者が活用し、消費者トラブル等の防止につながっているかどうかを検証することが大切であり、今後のフォローが期待される。
事業計画者:全ク連
事業名:クリーニング師研修の受講率向上事業(継続)
国庫補助予算額:437万円
【評価できる事項】
- クリーニング師研修は、クリーニングに携わる者や顧客の安全の観点から重要なものであり、受講率向上のための事業の意義は大きいと考えられる。
- 「クリーニング研修の受講率の向上」という目的に対して、各地域の組合の役員、地域行政機関等の関係者一同が目的を共有するため意見交換会を行う必要性は十分に認められる。
【今後に向けての助言】
- 関係5機関における意見交換会が行われているが、その成果(分析結果)をどのように反映し、対策をどう運用したか、追加研修以外に具体的な内容について記述がないので、どのような対策に活かせたのか、さらに十分な成果把握を行っていくことが必要である。その上で、研修受講率向上により有効な対策も視野に検討していくことが重要。
事業計画者:栃木県クリーニング組合
事業名:共同利用工場(マシーン・リング)設置検討事業
国庫補助予算額:160万円
【評価できる事項】
- 共同利用工場(マシーン・リング)設置に向けて現状把握のために必要な基礎的な調査、啓発を目標とした事業であり、実態調査結果から様々な問題を明らかにしており、短期的な目標については十分な成果を確認できる内容であり評価できる。
- また講習会も計画通り行っており、事業の進展があったものと認められる。
【今後に向けての助言】
- 今後のモデル事業への展開が実現可能かどうか、本事業の成果も踏まえて十分な検討が望まれる。
事業計画者:山口県クリーニング組合
事業名:利用者啓発事業
国庫補助予算額:160万円
【評価できる事項】
- 啓発のための媒体数を当初の計画より大幅に増やし、効果的な事業を目指した点は評価できる。
- 成果把握に関しては、計画段階での審査・評価会の意見を反映して、事故や苦情の件数を把握することに努めており評価できる。
【今後に向けての助言】
- 作成したSDカードやリーフレットがどの程度有効に配布・活用できているかのデータが不足しているように感じた。どの程度の割合の店舗においてフォトフレームが設置され、顧客啓蒙に役立っているのか等を明らかにする必要がある。
- 今後、苦情数の変化等について把握を行い、継続的に事業を検証していくことを期待する。
事業計画者:全ク連
事業名:復興支援仮設クリーニング工場設置事業(継続分)
国庫補助予算額:3,763万6千円
【評価できる事項】
- 23年度事業の継続事業であるが、被災クリーニング店の営業再開支援及び地域のクリーニング需要への対応において着実に成果が認められ評価できる。
- どのようにして復興期から通常期の営業へと橋渡しできるかを模索しながら長期的な視野をもって事業を進めており評価できる。
- 復興支援工場の運営推移と現状が数値でわかるよう分析されているところも評価できる。
【今後に向けての助言】
- 仮設クリーニング工場が今後も継続的に運営が行われるよう、今後もフォローが適切に行われる必要がある。
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