日本政策金融公庫は、2013年7〜9月期の生活衛生関係営業の景気動向等調査結果を発表した。調査は9月上旬、生活衛生関係営業3,220企業を対象に行われ、2,969企業から回答を得た。うちクリーニング業は246企業。
■景気の動向:クリーニング業の結果
クリーニング業についての結果をみてみると、売上DIは▲34.6で、前期(4〜6月)の▲29.3よりさらに下回った。各項目ともマイナスとなっている。
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今期(7〜9月)
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前期(4〜6月)
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売上DI
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▲34.6
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▲29.3
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採算DI |
▲17.1
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11.3
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業況判断DI
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▲47.1
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10.9
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利用客数DI
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▲40.4
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▲32.0
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客単価DI
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▲35.4
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▲32.0
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(注)DI=良い(増加・黒字・好転)−悪い(減少・赤字・悪化)企業割合
■設備投資の動向:クリーニング業の結果
設備投資を実施したクリーニング企業の割合は8.8%、前期の11.7%より2.9ポイント下回った。来期以降1年間の設備投資計画については「予定あり」5.4%、「未定」13.8%、「予定なし」80.8%。
■経営上の問題:クリーニング業の結果
経営上の問題点としては(複数回答)
- 顧客数の減少 60.8%
- 仕入価格・人件費等の上昇を価格に転嫁困難 44.2%
- 客単価の低下 36.3%
- 店舗施設の狭隘・老朽化 13.8%
- 後継者難 8.8%
- 従業員の確保難 4.2%
- 事業資金借入難 3.3%
- その他 2.9%
- 特に問題なし 5.8%
■特徴的な業況判断理由
【今期】
・香川県の企業[好転]
年1回、老人ホームで実施している祭で使用する法被等が出たため好転した。
・青森県の企業[不変]
前期に比べて軽装衣料の比率が多く単価は伸びなかったが、品数が多かったため、売上は維持できた。
・群馬県の企業[悪化]
客数は変わらないが、品数が減っている。高齢化や学生数の減少など、クリーニング店に品物を出す機会が少なくなっている。
【来期見通し】
・広島県の企業[好転]
景況が良くなり、高級感のある衣料の販売が伸びることが期待される。
・静岡県の企業[不変]
固定客がおり経営は安定しているが、ニーズが多様化し専門店化が進むと思う。サービス、専門技術の向上に努めなければならない。
・福岡県の企業[悪化]
売上が減少したため同業者の下請けを始めたが、高齢化や自宅で洗濯する方が増えたため、厳しい状況は続くと思う。
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