日本政策金融公庫は2016年1〜3月期の「生活衛生関係営業の景気動向等調査結果」を発表した。
調査は3月上旬に生活衛生関係営業の9業種3,012企業を対象に行われ、有効回答のうちクリーニング業は253企業。クリーニング業について、その結果をみてみたい。
■景気の動向
今期はすべての項目で前期を下回っており、全業種と比較してもクリーニング業の景気動向は厳しいものがある。来期(4〜6月)は繁忙期でもあり上昇が見込まれている。
項 目
|
前 期
2015年10〜12月
|
今 期
2016年1〜3月
|
全業種計
|
業況判断DI
|
▲8.5
|
▲46.6
|
▲24.4
|
売上DI
|
▲24.4
|
▲32.0
|
▲20.1
|
採算DI
|
1.2
|
▲24.5
|
▲8.6
|
利用客数DI
|
▲24.4
|
▲31.6
|
▲24.7
|
客単価DI
|
▲22.1
|
▲34.8
|
▲14.2
|
※DI=良い(増加・黒字・好転)企業割合−悪い(減少・赤字・悪化)企業割合
■設備投資の動向
項 目
|
前 期
2015年10〜12月
|
今 期
2016年1〜3月
|
全業種計
|
設備投資実施
|
11.2%
|
13.4%
|
12.4%
|
項 目
|
前 期
2015年10〜12月
|
今 期
2016年1〜3月
|
全業種計
|
予定あり
|
10.5%
|
10.7%
|
10.1%
|
項 目
|
クリーニング
|
全 体
|
顧客数の減少
|
62.1%
|
52.5%
|
仕入価格・人件費等の上昇を価格に転嫁困難
|
21.7%
|
33.3%
|
店舗施設の狭隘・老朽化
|
19.0%
|
23.0%
|
客単価の減少
|
41.5%
|
22.3%
|
従業員の確保難
|
11.9%
|
22.1%
|
後継者難
|
11.1%
|
10.8%
|
事業資金借入難
|
2.0%
|
3.3%
|
その他
|
5.9%
|
4.6%
|
特に問題なし
|
7.5%
|
7.5%
|
※複数回答のため合計は100を超える
■業況に対する判断理由
- 千葉県の事業者(業況:好転)
石油価格下落の為、燃料が安くなった。今のオイル安で、このまま数年続けばと思う。なお、今年は暖冬のようで、寒気が来ないと厚物が春に出ないので心配である。
- 熊本県の事業者(業況:悪化)
地域プレミアム商品券の期限も終了したこと、また、閑散期に入りクリーニング需要が減っている。
- 茨城県の事業者(経営取り組み事例)
顧客は他店ではできないサービスを求めている。とくに和服の手入れや染み抜きを任せられる店舗を探している。HPを利用して遠方から来店する顧客があるので、さらに技術力向上に努めたい。
日本政策金融公庫の「生活衛生関係営業の景気動向等調査」は、全国の生活衛生関係営業の主な業種について、その景気や設備投資の動向などを把握するため、定期的に(年4回)実施しているもの。
|