経時劣化に関する利用者意識調査、報告書まとまる
全ク連・中央青年部会は、クリーニングサービスに関する利用者意識調査の令和元年度の報告書「経時劣化に注意が必要な素材について」を取りまとめた。
利用者意識調査は2019年9月22日から11月4日まで、全国の青年部に所属する部員が中心となり利用者に聞き取り調査を行ったほか、ホームページ上でのアンケート実施、衣料管理実習に参加している家政系大学の協力も得た。回答者は合計3,964人。
アンケートでは、経時劣化する素材(ボンディング製品、コーティング製品、合成皮革、圧着加工製品)の認知度と所有状況、購入動機、経時劣化する可能性がある製品のトラブルの経験、製品の購入時やクリーニング依頼時に説明を受けたか等についてきいた。その結果、目視で劣化が分かりやすい合成皮革以外は認知度が低いこと、購入動機については4つの素材とも同じ傾向を示し「値段に見合えば買う」(約45%)、「デザインがよければ買う」(約35~40%)と続き、「経時劣化するなら買わない」(約25%)を上回った。経時劣化については、6割以上が製品の購入時に説明を受けていないとしている。
また、クリーニング利用時に経時劣化によるリスク説明を受けたことがある人は約35%、クリーニング店側の調査では9割が「お客様へ説明している」としており、説明状況に大きなギャップがあることがわかった。
報告書の提言では、経時劣化に注意が必要な素材への今後の対応として、クリーニング事業者には「利用者とのコミュニケーションを十分にとること」を最重要の目標に掲げ、受渡しの短い時間の中でも利用者に周知ができるよう、受付スタッフ用のフローチャートを作成し報告書の巻頭に挟み込んだほか、リーフレット「ポリウレタンの注意事項」を活用した説明等を提案している。
受付スタッフ用のフローチャート