日本公庫の景気動向等調査結果(2020年10~12月期)

日本政策金融公庫は2020年10~12月期の生活衛生関係営業の景気動向等調査結果を発表した。

2020年12月上旬に生活衛生関係営業の9業種3,290企業を対象に行われ、有効回答のうちクリーニング業は262企業。クリーニング業について、その結果をみてみたい。

業況判断DI
業況判断DI ▲58.4
売上DI ▲77.9
採算DI ▲59.5
利用客数DI ▲85.5
客単価DI ▲66.0
  • 業況判断DI=前期対比「業況好転」企業割合-「業況悪化」企業割合
  • 売上DI=前年同期対比「売上増加」企業割合-「売上減少」企業割合
  • 採算DI=当該期「黒字」企業割合-「赤字」企業割合
  • 利用客数DI=前年同期対比「利用客数増加」企業割合-「利用客数減少」企業割合
  • 客単価DI=前年同期対比「客単価上昇」企業割合-「客単価低下」企業割合
設備投資の動向
設備投資の実施状況 16.4
来期の設備投資実施予定 11.1%
経営上の問題点(複数回答)
顧客数の減少 83.6%
仕入価格・人件費等の上昇を価格に転嫁困難 9.5%
客単価の低下 53.1%
店舗施設の狭隘・老朽化 15.3%
従業員の確保難 1.5%
後継者難 4.6%
事業資金借入難 2.7%
その他 9.5%
特に問題なし 2.3%
業況判断理由

【栃木県】業況:好転(今期)

GoToキャンペーンの効果で旅行等へ外出する機会が増え、オシャレ着の需要が増えている。また、本格的な冬の到来もあり、礼服・やダウンなど厚物衣料の持込みが増えている。

【宮城県】業況:悪化(今期)

コロナ禍で外出機会が減ったことに加え、テレワークの普及やイベント中止等の影響でスーツやワイシャツの定番品をはめ秋冬物衣料の需要が減ったままである。

【山梨県】業況:悪化(今期)

コロナ禍でインバウンドや国内旅行に関連した需要が大幅に減少した影響で、周辺宿泊施設からのリネン関係の受注が回復しない。

【静岡県】業況:悪化(今期)

祭り等の各種イベントが中止になり、浴衣や法被等の洗濯需要がなくなり、厳しさを増している。

【香川県】業況:悪化(今期)

秋祭りなどのイベント等が全部中止になり、浴衣や法被等の季節需要がなくなった。感染防止策は講じているが、お客様の感染への不安は根強く、来店客数は減少したままである。

【佐賀県】業況:悪化(今期)

地域のイベント等の中止で季節需要がなくなり、テレワークの普及や旅行等の外出機会の減少で、ワイシャツやスーツなどの定番の洗濯需要も落ち込んだままである。

【京都府】業況:悪化(来期)

例年1~3月は閑散期になる。新型コロナウイルスの感染拡大が収束しない限り、年度末の各種イベントの洗濯需要が期待できなくなる。

【岡山県】業況:悪化(来期)

新型コロナウイルスの感染拡大が続くなか、外出自粛が長期化するようであれば、コートやダウン等の冬物の衣替え需要が冷え込むことから、さらに厳しさは増す見込み。

【沖縄県】業況:悪化(来期)

年末年始の自粛と新型コロナウイルスの拡大で当期の後半から来期にかけては苦戦を強いられそう。ホテルのリネンも厳しそうである。