第7回 冬場の工場に以外な落とし穴
冬のシーズンはリネン工場、クリーニング工場にとっても忙しいと思います。 忙しいのに生産性が上がらないのが、この冬場です。何故でしょう?バカみたいな現状がそこにあります。
■馬鹿に成らない気温の差
夏場30℃以上になり大変な工場内も、冬場の午前中は寒い位になっています。機械にとってもこの事は大変影響を受けます。
夏30℃の工場内が冬5℃とすると25℃の差は、蒸気を熱源とする機械はもろにその影響を受けます。
回転乾燥機の場合、空気取り入れ温度が25℃下がると"ヒータで昇温する温度も25℃下がります?"。
(現実は理由があり、差はこれだけ出ません)
これだけでも"乾燥時間が10~15%従来より長くなります"。
(夏から秋、冬と緩やかに気温変化するので気が付き難い)
洗濯機の昇温、温水タンクの昇温...さらに放熱が多くなり、ボイラもヒイヒイ!
洗いは手を抜けるが、乾燥はそうは行かない(時間)。
忙しくなると増産するため、簡単に洗浄プロセス時間の短縮をしてしまいます。夏場より若干シミの固着状態が軽くなるので短縮は可能ですが"乾燥時間は同じです"。洗浄で増産出来た分は基より、乾燥時間が多い目に掛る冬場は乾燥出来ません。
"乾燥機が足りない!"となります(仕上げ機器も同様です)。
設備計画をする場合、予め余裕率を含めて計算するのは常識です。苦しい時の乾燥機(仕上げ機器)、これはポイントです。
■苦しい時のヒント
回転乾燥機の"ヒータ掃除をしましょう"、これが意外と効きます。
蒸気を扱う機器には必ずスチームは漏らさずドレンを排出するスチームトラップが付いています。"スチームトラップの点検" をしましょう。
■来年のために!
まず、蒸気を扱っている機器の"データを取りましょう"(ポイントはすでに出てますね)。
更に、放熱をしている所を丹念にチェックしてメモします(冬場の方がわかり易い)。
そして、時間の取れる時に改善します。"設備一時、効果一生"一カ所の改善では効果はほとんど感じられませんが、まとめて実施すると、意外なほど効果がでます。