最強のユニット論
第8回 お店づくりの基本

今日まで、随分たくさんのお店づくりのお手伝いをし、数えきれないほどのお店の見学もさせてもらった。業界の営業形式が、外交主体から持ち込み方式に移行し、店舗は急速に変化してきた。これまでのイメージを一新して、近代化し、明るく、清潔さにあふれるお店が、全国に広がっていった。ただ、ごく一部の業者によって企画された店舗が、心無い安易な模倣の続出によって、個性のない、画一的なデザインで氾濫したきらいは否めないが。

中には数百万円、数千万円もかけた豪華なお店が話題になったこともあった。天井からは目を見張るようなシャンデリアが下げられ、カウンターの天板には大理石、壁には高価な輸入材、床には毛足の長いシャギーのカーペットなどなど、誠に結構なことではあるが、問題はこのお店がいかに正しく管理されているか、ということである。
どれほどお金をかけた豪華な店舗であっても、もし日常の管理を怠ったら、1カ月も経たぬうちに、見るも無惨な姿に成り果ててしまうからである。

正しい管理とは、決して難しいことではない。よくいわれる『整理』『整頓』『清潔』『清掃』の4S運動の実践にほかならない。できれば最初から、管理のしやすいようなお店づくりをしておくことが大切であり、まずは設計の段階でシンプルなデザインが要求されるし、使用する建材も後々の保守、メンテナンスを十分に配慮して選択したい。

店舗の改装はやってみたいが、費用はできるだけ少なく... よく、このような相談を受けたものだが、そのときにお勧めするひとつの手法が『照明倍増作戦』。「お店をその町一番の明るい店に」ということで、いまお店で使っている蛍光灯を倍増する作戦である。
パアッと明るくなった店内、何もかもが見えすぎて、いままであまり気にとめていなかった、隅々の汚れやシミなども目立ってしまう。従って整理、整頓はもちろん清掃にも一段と気合いを入れることになり、お店は一挙に活性化すること間違いない。クリーニング店の場合、一般的に店舗の照明は、3.3平方メートル(1坪)当り、蛍光灯40W×2本を目安とすればいいだろう。

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